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Stable Diffusionを自分のPCで動かしたい。そう思って必要なスペックを調べ始めると、わりとすぐに面倒なことになります。
「VRAM 8GBあれば動く」と書いてあるサイトがあれば、「最低12GB、推奨24GB」と書いてあるサイトもある。中には「30GB以上必須」というものまで見かけました。
3倍以上ばらついているわけですが、これはどれかが嘘というわけではありません。前提が違うだけです。
Stable Diffusionに必要なVRAMは何GB?
扱うモデルによって変わります。軽量なSD1.5系なら8GBで動きますが、SDXLやFLUX.1といった新しめのモデルを使うなら16GBは見ておいたほうがいい、というのが2026年時点の目安です。
情報が食い違うのは、書かれた時期と想定しているモデルが違うからです。
| 使いたいもの | VRAMの目安 |
|---|---|
| SD1.5系(軽量モデル) | 8GB〜 |
| SDXL(標準的な高解像度モデル) | 12〜16GB |
| FLUX.1など最新の大型モデル | 16GB〜24GB |
| LoRAの学習まで行う | 16GB以上 |
| 動画生成も視野に入れる | 24GB以上 |
生成する画像サイズでも変わります。512×512なら余裕があっても、1024×1024にした途端に足りなくなるというのはよくある話のようです。
VRAMとメモリを混同しないように
これは私が最初つまずいたところなのですが、VRAMはグラフィックボードに載っているメモリで、メモリ(RAM)はPC本体のメモリです。
Stable Diffusionで効いてくるのはVRAMのほうです。「メモリ32GBあるから大丈夫でしょ」と思っていたら、GPUのVRAMは4GBしかなかった、というパターンがあります。
NVIDIA以外のGPUでも動く?
動きます。ただし情報の少なさで苦労するかもしれません。
Stable Diffusion向けのツール、特にAUTOMATIC1111のWebUIは、NVIDIAのCUDAを前提に作られています。AMDのRadeonでも環境は整いつつあって、2026年にはComfyUIがROCm対応で高速化したという話も出ていますが対応ソフトはまだ限られます。
実務的にいちばん効くのはここです。エラーが出たときに検索して解決策が見つかるかどうか。この差はかなり大きいと思います。
自分のPCのVRAMを調べる方法
買う前に、まず今のPCを確認していただくのが良いかと思います。
Windowsの場合
タスクバーの検索窓に「dxdiag」と入力してEnter。DirectX診断ツールが開くので、「ディスプレイ」タブを見ます。そこに「表示メモリ (VRAM)」という項目があります。
タスクマネージャーからでも確認できます。Ctrl + Shift + Esc で開いて「パフォーマンス」タブ →「GPU」を選ぶと、右下に「専用GPUメモリ」として出てきます。
Macの場合
Appleメニュー →「このMacについて」で、チップ名とメモリ容量が確認できます。
ただしApple Silicon(M1以降)はユニファイドメモリという仕組みで、CPUとGPUがメモリを共有しています。「VRAM◯GB」という区切りが存在しないので、Windows機と同じ基準では比べられません。
そもそもGPUが載っていない場合
ノートPCの多くは、独立したグラフィックボードを積んでいません。CPU内蔵のグラフィック機能を使っています。
タスクマネージャーのGPU欄に「Intel UHD Graphics」「AMD Radeon Graphics」といった名前が出ていたら、たぶんこれです。専用GPUメモリはごく少量かそもそも表示されません。
この場合、Stable Diffusionをローカルで動かすのは諦めたほうがよいかもしれません。
スペックが足りなかったら
ここからが本題で、選択肢は3つあります。
GPUを買う
デスクトップPCならグラフィックボードの増設や交換ができます。VRAM 16GBを一つの基準にすると、当面は困らないはずです。
ただ、価格については注意が必要でした。この記事を書くにあたって相場を調べたのですが、2026年に入ってからグラフィックボード全体が値上がりしています。以前は6万円前後で買えたクラスが、8万円を超えていることもある。
それと、旧世代のほうが高いという逆転現象も起きていました。RTX 4060 Tiのような一世代前のモデルより、現行のRTX 5060 Tiのほうが安く買えるケースがある。型番の新しさだけで判断せず、実売価格を見比べたほうが良いと思います。
あともうひとつ。グラボだけ買えばいいとは限りません。電源容量が足りているか、ケースに収まるか、PCI Expressスロットが空いているか。ここを確認せずに買うと、届いてから困ります。
ノートPCはGPUの交換ができないので、買い替えになります。画像生成AI向けに選ぶなら、RTX 4060 Laptop以上のGPUとメモリ32GBあたりが目安です。ノート用GPUは同じ型番でもデスクトップ版より性能が抑えられているので、VRAM容量は個別に確認してください。
クラウドで借りる
GPUを買うと、いまの相場だと安いものでも8万円前後、上位モデルなら20万円を超えます。それだけ払って、本当に使い続けるかどうか分からない場合は、クラウドを使うほうが合理的だと思います。月額1,000円程度から、環境構築なしで始められます。
ConoHa AI Canvasなら、ブラウザを開くだけでStable Diffusion WebUIが使えます。手元のPCのスペックは関係ありません。
もっと自由に環境を組みたいなら、GPU付きのVPSという手もあります。自分でセットアップする手間はかかりますが、そのぶん構成の自由度が高いです。ComfyUIを入れたい、複数のツールを使い分けたい、という段階ならこちらです。
Web完結型のサービスを使う
そもそもStable Diffusionにこだわらないという選択もあります。
ChatGPTやGeminiの画像生成、Adobe Fireflyなど、ブラウザだけで完結するサービスはたくさんあります。
モデルを自分で選べない、細かい制御がしにくいという制約はありますが何をしたいかによります。
私がクラウドを選んだ理由
私はMac(Apple Silicon)を使っています。
Apple Silicon向けの動作環境自体はあるのですが、導入方法を調べていて気づいたことがありました。検索で出てくる情報のほとんどがWindows + NVIDIA前提で書かれているのです。
エラーが出たときに、自分の環境に当てはまる解決策が見つかる保証がない。この時点で「詰まったら時間を吸われるな」と思ったので、ローカル構築には踏み込みませんでした…。
買う前に考えたいこと
GPUの購入を検討しているなら、画像生成をどれくらいの頻度でやるつもりかを確認しておいた方が良いです。
毎日何時間も使うなら、買ったほうが安上がりです。8万円のグラボでも、月1,000円のクラウドと比べれば7年ほどで元が取れる計算になります。
逆に週末に少し触る程度ならクラウドのほうが確実に安い。しかも使わない月は解約できます。
「とりあえず試してみたい」段階でいきなり8万円は出す気にならない方が多いと思います。まずクラウドで数ヶ月使ってみて、続けると確信できたらGPUを買う。この順番のほうが失敗しません。
よくある質問
Stable Diffusionに必要なVRAMは何GBですか?
扱うモデルによります。SD1.5系なら8GB、SDXLなら12〜16GB、FLUX.1などの大型モデルなら16GB以上が目安です。生成する画像サイズでも変わります。
グラフィックボードがなくても動きますか?
CPUだけでも技術的には動きますが、1枚の生成に数分から数十分かかるため実用的ではありません。CPU内蔵グラフィックも同様です。
MacでStable Diffusionは使えますか?
Apple Silicon向けの環境は存在します。ただし情報がWindows + NVIDIA前提のものに偏っているため、エラー時の解決に時間がかかりやすいです。
自分のPCのVRAMはどこで確認できますか?
Windowsなら「dxdiag」を実行して「ディスプレイ」タブ、またはタスクマネージャーの「パフォーマンス」→「GPU」で確認できます。Macは「このMacについて」でチップとメモリを確認します。
GPUを買うのとクラウドを使うのはどちらが得ですか?
使用頻度によります。毎日長時間使うなら購入、週末に少し使う程度ならクラウドのほうが安く済みます。まずクラウドで試してから判断するのが無難です。
まとめ
必要スペックの情報がばらついているのは、扱うモデルによって要求が違うからでした。まず自分が何を動かしたいのかを決めると、必要なVRAMが見えてきます。
そのうえで手元のPCを確認して、足りなければGPUを買うかクラウドを使うか。使用頻度がはっきりしないうちは、クラウドで試すほうがリスクは小さいと思います。
実際にクラウドで使えるサービスを比較した記事もありますので、よろしければ見てみてください。
Stable Diffusionをブラウザだけで使う方法3つ|料金と手軽さで比較
※本記事は2026年8月時点の情報です。GPUの価格やラインナップは変動が大きいため、購入前に最新の実売価格をご確認ください。
