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Stable Diffusionを使ってみたい。でも手元のPCでは動かない。あるいは環境構築の途中でエラーが出て、そのまま放置している。AI画像生成に興味を持った人の多くが、この「動かすまで」の段階で止まっています。
実は、この壁は避けて通れます。クラウド上のGPUをブラウザから借りるサービスを使えば、インストール作業なし、PCスペック不問で始められます。
ただ、この手のサービスは料金の仕組みがバラバラです。時間で課金するもの、ポイントを買うもの、生成のたびに消費するもの。月額の数字だけ並べても比較になりません。
そこでこの記事では、代表的な3サービスの課金の仕組みをほどいて、「自分の使い方だとどれが合うのか」を判断できる形に整理しました。
ChatGPTの画像生成では足りなくなる場面がある
私は仕事の制作素材づくりにChatGPTの画像生成を使っています。プロンプトを書けば数十秒で出てくるので、ラフやたたき台には十分です。
ただ、使い込むほど気になってくる点があります。
- モデルを選べないので、狙った画風に寄せづらい
- 構図やポーズを指定通りに固定するのが難しい
- 複数枚を同じトーンで揃えるのに苦労する
これを解決できるのがStable Diffusionです。モデルを自分で選べて、LoRAで画風を足したり、ControlNetで構図を固定したりできます。
じゃあ自分のPCで動かそうか、と調べ始めると、次の壁が待っています。
ローカル環境の構築でつまずく理由
Stable DiffusionをPCで動かすには、最低でもこれだけ必要です。
- NVIDIA製GPU(VRAM 8GB以上が実用ライン)
- Python、Git、各種ライブラリのインストール
- 数GB単位のモデルファイルのダウンロードと配置
いちばんの問題はGPUです。ノートPCの多くは、そもそも条件を満たすGPUを積んでいません。
私はMac(Apple Silicon)を使っているのですが、導入方法を調べた時点で気づいたことがあります。Apple Siliconで動かす方法は一応あるものの、検索で出てくる情報のほとんどがWindows+NVIDIA前提なんですね。エラーが出たとき、自分の環境に当てはまる解決策が見つかる保証がない。詰まったら延々と時間を吸われそうだったので、ローカル構築はやめました。
やりたいのは画像を作ることで、環境を整えることではないはずです。それなら最初からクラウドでいい、というのがこの記事の出発点です。
ブラウザで使える3つのサービス
ConoHa AI Canvas
GMOインターネットグループが運営する国産サービスです。Stable Diffusion WebUI(AUTOMATIC1111)がクラウド上に用意されていて、申し込んだらブラウザで開くだけ。3つの中で導入がいちばん簡単です。
料金:基本料金+時間課金
月額の基本料金に、WebUIを起動していた時間分の従量課金が乗る仕組みです。各プランに無料時間が含まれていて、超えた分だけ追加でかかります。
| プラン | 基本料金 | WebUI無料時間 | ストレージ |
|---|---|---|---|
| エントリー | 1,100円/月 | 10時間 | 30GB |
| スタンダード | 4,378円/月 | 50時間 | 100GB |
| アドバンス | 9,878円/月 | 100時間 | 500GB |
無料時間を超えると6.6円/分(1時間あたり396円)かかります。
生成枚数に上限はありません。WebUIには自動終了タイマーが設定できるので、切り忘れて課金が積み上がる事故は防げます。プラン変更は月単位で可能です。
気になる点
無料プランがなく、最低でも月1,100円かかります。それと、エントリーの無料10時間は意外と早く溶けます。プロンプトを調整したりモデルを切り替えたりしていると、起動時間はどんどん積み上がるので。
Google Colab
GoogleのクラウドPython環境です。本来は機械学習向けのツールですが、Stable Diffusion WebUIを起動するノートブック(実行手順をまとめたファイル)が有志によって多数公開されていて、それを実行する形で使えます。
料金:コンピューティングユニット制
無料でも使えます。有料プランは「コンピューティングユニット(CU)」という単位を購入する形です。
| プラン | 料金 | CU |
|---|---|---|
| 無料版 | 0円 | −(割り当て保証なし) |
| Pay As You Go | 1,179円/回 | 100CU(買い切り) |
| Colab Pro | 1,179円/月 | 100CU/月 |
| Colab Pro+ | 5,767円/月 | 合計600CU/月 |
CUの有効期限は90日で、足りなくなったら追加購入できます。定期購入したくない人は、Pay As You Goで必要なときだけ買う使い方もできます。
1時間あたりのCU消費はGPUによって変わり、標準的なT4なら1時間あたり約2CUが目安です。つまり100CUで50時間ほど。時間あたりに換算するとかなり安い部類です。
気になる点
毎回ノートブックを開いてセルを順に実行する、という手順が必要です。慣れれば数分の作業ですが、初めてだとここが壁になります。
もうひとつ、公開されているノートブックは有志のメンテナンスが止まると動かなくなります。そうなったときに原因を自分で切り分けられるかどうかで、向き不向きが分かれます。
RunDiffusion
海外のクラウドAI画像生成プラットフォームです。ComfyUIやAUTOMATIC1111といったオープンソースのツールをブラウザから使えるほか、独自の生成環境「Runnit」も持っています。
料金:トークン制
他の2つと違って、時間ではなく「トークン」を消費する方式です。画像を生成するたびに、モデルやサイズに応じた量が減っていきます。
| プラン | 月額(年払い) | トークン/月 |
|---|---|---|
| Free | 0ドル | 1日100まで |
| Runnit Hobby | 8.79ドル | 10,000 |
| Runnit Pro | 23.99ドル | 30,000〜240,000 |
| Creators Club + Pro | 41.79ドル | 30,000〜240,000+10ドル分の残高 |
表示は年払い(20%オフ)のときの金額で、月払いだとHobbyは10.99ドルなど少し上がります。
無料プランでもComfyUIなどのオープンソースアプリにアクセスでき、10GBのストレージが72時間保持されます。とりあえず触ってみる分には0円で済みます。
気になる点
日本語対応がありません。UIもドキュメントもサポートも英語です。ドル建てなので為替の影響も受けます。
それと、トークンの消費量は使うモデルや画像サイズで変わるため、「月にどれだけ生成できるか」が事前に読みにくい。ここは時間課金とのいちばんの違いです。
で、結局いくらかかるのか
ConoHaとColabは起動時間、RunDiffusionは生成量で課金されるので、完全な横並び比較はできません。時間課金の2つを使用時間で比べつつ、RunDiffusionは開始コストで併記します(1ドル160円で換算)。
ケース1:まず試したい(月5時間くらい)
| サービス | 月額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| ConoHa AI Canvas | 1,100円 | 無料時間内に収まる |
| Google Colab | 0円 | 無料版で足りる可能性あり |
| RunDiffusion | 0円 | 無料プラン(1日100トークン)で試せる |
ケース2:本格的に使う(月20時間くらい)
| サービス | 月額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| ConoHa AI Canvas(エントリー) | 約5,060円 | 1,100円+超過10時間×396円 |
| ConoHa AI Canvas(スタンダード) | 4,378円 | 無料時間内に収まる |
| Google Colab Pro | 1,179円 | T4なら約40CU消費。余裕あり |
| RunDiffusion(Runnit Hobby) | 8.79ドル(約1,400円)〜 | トークン制のため生成量しだい |
見ての通り、コストだけならConoHaは最安ではありません。それでもConoHaを選ぶ理由は何か。次で整理します。
手軽さ・自由度の比較
| ConoHa AI Canvas | Google Colab | RunDiffusion | |
|---|---|---|---|
| 環境構築 | 不要 | ノートブック実行が必要 | 不要 |
| 課金方式 | 基本料金+時間 | ユニット購入 | トークン制 |
| 日本語対応 | ◎ | △ | ✕ |
| 選べるUI | AUTOMATIC1111 | ノートブック次第 | ComfyUI / AUTO1111ほか |
| モデル追加 | 可能 | 可能 | 可能(有料でLoRA学習も) |
| サポート | 日本語窓口あり | なし | 英語のみ |
| 無料枠 | なし | あり | あり |
どれを選ぶか
費用ゼロで試したい → Google Colab か RunDiffusion
「AI画像生成が自分に合うか」を確かめる段階なら、無料枠で十分です。ノートブックの操作に抵抗がなければColab、英語UIでも構わなければRunDiffusionのFreeプラン。どちらもタダで判断材料が手に入ります。
手間をかけず日本語で始めたい → ConoHa AI Canvas
3つの中で唯一無料枠がなく、最安でもない。それでも選ぶ価値があるとすれば、「詰まったときに日本語で解決できる」ことです。
Colabのノートブックが動かなくなったら、原因を英語のGitHub issueで探すことになります。導入方法を調べる段階ですら情報の偏りを感じた身としては、この「調べる時間」こそが一番のコストだと思っています。月1,100円でそれを買える、と考えると個人的には妥当な値付けです。
運営がGMOという安心感もあります。
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拡張機能まで使い込みたい → RunDiffusion
ComfyUIでワークフローを組みたい、LoRAの学習までやりたい、という段階まで来ているなら自由度で選ぶことになります。英語に抵抗がなければ、無料から段階的に上げられる料金体系も含めて合理的な選択です。
よくある質問
PCのスペックは本当に関係ない?
生成処理はクラウド側のGPUで動くので、手元のPCは関係ありません。ブラウザが動けば大丈夫です。MacでもWindowsでも同じように使えます。
ChatGPTの画像生成と何が違う?
いちばんの違いはモデルを自分で選べることです。画風の違うモデルへの切り替え、LoRAでのテイスト追加、ControlNetでの構図固定。手軽さではChatGPTが上ですが、狙った絵を出す精度では届きません。
生成した画像は商用利用できる?
サービスの規約と、使うモデルのライセンスの両方の確認が必要です。モデルによっては商用利用を禁じているものもあるので、仕事で使うなら個別に確認してください。
途中でプランを変えられる?
ConoHa AI Canvasは月単位で変更できます。RunDiffusionもアップグレード・ダウングレードに対応しています。下位プランや無料枠から始めて、足りなければ上げるのが無難です。
合わなかったらローカル環境に移れる?
モデルや生成画像をダウンロードしておけば移行できます。クラウドで使い方を覚えてからGPU搭載機を買う、という順番もありです。
まとめ
- 費用ゼロで試したい → Google Colab か RunDiffusion の無料枠
- 手間を省いて日本語で使いたい → ConoHa AI Canvas
- 自由度と拡張性がほしい → RunDiffusion
3つとも、ローカル環境の構築という最大の壁を丸ごと回避できます。まず無料枠で感触を確かめて、続けると決めてから自分の使い方に合う課金方式を選ぶ。この順番がいちばん無駄がないと思います。
ChatGPTの画像生成に物足りなさを感じ始めた人には、ちょうどいい次の一歩になるはずです。
※本記事の料金情報は2026年8月時点で各公式サイトを確認したものです。改定される可能性があるため、契約前に最新の情報をご確認ください。